りきすいの郷(さと)

テキスト系の記事とか、ネタ系の記事とか書きます。

ずっと

携帯のバッテリーが充電される動画を作った。携帯が充電されて嫌な気持ちになる人なんていないから…

心ゆくまで、癒されて行ってくださいよ。

 

【急速バージョン】

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【普速バージョン】
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【せわしなく走り回る現代人の方にこそ、慌てず見てほしいバージョン】
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きっと本当はみんな自由なんだ。つい忘れがちなことだけど、誰だって生まれた時は自由なんだ。生きるってことは、自分で自分の可能性を狭めてしまうことで、それは、実はとても悲しいことなんだって、みんな知ってるけど、知らないふりをしているんだ。だから、解き放ってあげたい。永劫の苦しみの輪から、ほんのちょっぴりの勇気を持って、君と君の愛する全てを、解き放ってあげたいんだ。僕はとても臆病だけど、君を失ってしまうことよりも怖いことなんて、無いんだから。ほらご覧、みんな君と一緒なんだ。みんながずっとそばにいるよ。ずっと、ずっと、ずっと…

 

 

 

 

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俺がどれくらい橋本環奈を好きなのか、お前らは知らないだろ?知らないよなあ?

だから聞かせてやる。覚悟するんだな。

 

俺と環奈の出会いは決して劇的なものではなかった。その辺を歩いてる知らない人々とすれ違う時、彼らを一々記憶にとどめるか?違うだろ?俺と環奈の出会いも、そういった平凡で月並みの凡庸なものだった。ただ何度か顔を見る機会が続いたので、なんとなくその存在を認知している程度の、そんな関係だったんだ。

いつしか環奈がいかに可憐であるかを叫ぶ声を、少しずつだが周りから聴くようになった。最初は小さな波紋に過ぎなかったが、それは次第に大きな波となり、やがて遥か頭上から俺を押し潰さんばかりの巨大な唸りとなって襲いかかってきた。集団心理ってのはとてつもないパワーを内包している。俺がその巨大な奔流の片鱗に触れた頃には、もうすっかり俺は環奈の虜だった。

ここで忘れて欲しくないのは、他の如何なる存在も橋本環奈の前では森羅万象全て平等に凡庸の徒と成り下がるという不変の事実だ。橋本環奈という概念の名の下に、人は皆平等なのだ。そこに優劣の差などは無く、種の垣根を超えて本質的に同じ生命であることに他ならない。犬も猫も、あなたもわたしも。

俺が死ぬ時はお前たちが死ぬ時であり、お前たちが死ぬ時もまた、俺が死ぬ時なのだ。死が二人を分かつんじゃあない、死が、お前らと橋本環奈を分かつんだ。

だけど安心してほしい。最初から橋本環奈は俺やお前たちのような凡夫と同じ世界にはいない。だって、橋本環奈とは概念なのだから。"死"によって、その当たり前の真実に目覚めるのだ。その時初めて、我々の魂は本当の意味での救いを得ることができるのだろう。

これは宗教や政治といったショボいチャチな話じゃあ断じてない。俺たちが生きているこの世の絶対の理(ことわり)だ。受け入れなくてはならない、不変の真実なんだ。

 

だから、共に滅びよう。それが定めだ。

もしもお前が橋本環奈の定めた運命に抗うと、そう言うのなら…

 

 

                   橋本環奈を、

   この美しくも醜い平凡な地上に、

              引きずり堕とそう。

 

 

それが叶うのならば、俺は他に何もいらない。

 

 

 

 

 

 

 

はしもと-かんな【橋本環奈】

[名・形動]この世で最も美しく可憐な女性の総称。美しく可憐で他に同等以上の存在のいないこと。また、そのさま。「あの家の一人娘はとても橋本環奈だ」「橋本環奈な虫」

不毛

職場でぼーっとしていると、


「こんにちは!」


と、威勢の良い挨拶とともに、カチッとスーツを着こなした初老の男性が入ってきた。

何かの営業かと思ったが、相手が相手なのでこちらもハキハキと丁寧な応対をするべくスイッチを入れる。オンオフの切り替えは大事だ。


早速、男性が名刺を取り出す。流れるような動作とその自然さについ見とれてしまった。これができるオトナってやつか。威風堂々とはこのことか。

名刺を見ると、近所の社会福祉法人の事務局長ということだった。かたやこちらは入社1年未満の平社員。別に張り合うつもりなどはないが、あまりに分不相応な対峙に思えた。

とは言え、こちらもぼんやりとはしていられない。応戦せねばならない。男と男の対峙だ。この場に肩書きなんてものを持ち出すのは野暮ってもんだろ?


「本日は、どういった御用件でしょうか?」


今の俺の精一杯のオトナ力をぶつける!

今はまだこんなもんだが、いつか必ず、あんたのとこまで届いてみせるからな!

丁寧で冷静な対応とは裏腹に、胸の内に秘める感情はとても熱かった。そうだ、場合によってはコーヒーを出す必要もある。ポットの湯は沸いているな。茶菓子も…ある!


冷静な思考、心地よい程の緊張、十分に沸いたポットの湯。条件は揃っている。


強者と対峙することで未だかつてない充足感が俺を満たした。それは瞬間的に俺のオトナ力を高めた。まさに刹那の出来事。

力がみなぎる。なんだかわからんが、やってみるしかねえ!

 

 

 

 


「この辺りにお住まいの田中さんの家の場所、わかりますか?」

 


男性から飛び出た質問に、俺は答えなくてはならない。質問の内容に若干拍子抜けこそしたが、どういう事情で訪ねてきたのか定かではないにせよ、彼は客人なのだ。ひょっとすると要人かもしれない。事情がわからない以上、迂闊なことはできない。もしもヘタを打てば、俺の今後の社会生活にも関わるかもしれない。ここは正直に、誠実な応対をしなくてはならない。

しかし、馬鹿正直に「いや、知らんし」などと断るわけにもいかない。俺はオトナだ。こういう時の言葉だってすぐに浮かぶぞ!

 


「大変申し訳ございません。ちょっと存じ上げないのですが…」

 


"ちょっと"という部分に我が事ながら青さを感じるが、"ですが…"と締めて次の動きを相手に委ねるテクニックを瞬時に使えたことで、やはり俺のオトナ力は高まっているのだと確信した。今は敵わなくとも、このままやり過ごすしかない!

 


「そうですか。わかりました!」

 


そう言って、男性は出て行った。

男性は、出て行った。

 

 

 

 


え?田中さんの家の場所をただ聞きに来ただけ?無関係の会社に??


去り際に男性が言った、「いやー、住所を聞き忘れましてね!」という言葉が印象的だった。聞けよ。


この会社の近くとしか聞いてないんですよ!」と続ける。いや、知らんし。聞けよ。


知らねえおっさんに知らねえおっさんの家の場所聞かれただけの俺はどうしたらいい?知らねえババアの家かもしんねえけどよ。そこのクイズなんかいらねえんだ。

振り上げた刀の振るい先が見当たらなくなった俺は、間抜けに刀を振り上げたまま、ただ呆然と立ち尽くすのだった。


その後は特に上司に何の報告もせず、いただいた名刺はシュレッダーにかけた。だっていらねえし。