先日、勤め先にて健康診断が実施された。
私という一個人にとってこれほど憂鬱なことはないが、一旦、雇用主の視点で考えてみると、従業員一人一人に自らの健康状態を把握してもらい、重大な疾病等を予防してもらうことは非常に大切だ。特にうちのような小規模の職場(総勢20名程度)では、ひとたび急な欠員が出てしまうと業務に大きな影響が出てしまうことは明白であり、急な発病によって倒れてしまうといった、そのような不測の事態を未然に防ぐリスク管理としての意味を持つ健康診断には、かなりの費用対効果があると言えるだろう。企業が費用を負担してでも従業員に健康診断を実施するメリットは数あれど、デメリットは殆ど無い。
しかし、私はと言うとだ…
この健康診断というものが非常に苦手だ。より具体的に言うと健康診断に伴う採血が苦手なのだ。採血、つまりは注射だ。私は身体に針を刺されるということが嫌なのだ。こればかりは自らの体裁(成人済み)(仕事中、立場上「先生」と呼ばれることもある)を顧みることなく大きな声で言ってやりたい。
私は!!
注射が!!
嫌いなんじゃ〜〜〜〜い!!!!
嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い
超嫌いなんよ〜😭😭😭
失礼。取り乱しました。
医療従事者の方々が、そのお仕事がどれほど社会に貢献しているのか、それは重々承知している次第であります。私たちが健康に暮らすことができるのも、ひとえに医療の充実、医療技術の発達ゆえ、健康でなくなることへの恐れも薄れようもの。それは自信となるのです。病は気からと言いますが、私たちの健康のバックには常に医療が付いてくれているのです。いざ健康を脅かされようとも、バックに付く医療が、その叡智を以って私たちを守ってくれるのです。その安心感は絶大なもので、この安心感があるからこそ心身共に健やかに過ごせるというもの。もちろんそれはわかってるんです。頭では。
しかし私の心はどうでしょうか。人間がいかに理性的動物であり、どれほど神に近付こうともその実は結局ただの動物なのです。人がどれだけ理性で自らを律しようと、ヒトという動物の本能には逆らうことができないのです。そう、私の本能は針を恐れている。
私は、蜂が苦手です。針を持つから。
同様に、私は、看護師が苦手です。針を持つから。
例えばあなたの目の前に針を持った人間がいるとして、そいつがその針を自分に刺そうとしている時、そいつのことをどう認識しますか?敵ですよね?つまり敵なんですよ、奴らは。なのに平然と「あなたの為なんですよ」などと嘯き、我々の生活に溶け込み暮らしているんです。劣悪極まりないと思いませんか。
試しに今あなたの隣にいる奴に針を刺そうとしてみてください。きっと殴打の反撃を喰らいますよ。でも文句は言えないですよね?針を刺すという危害を加えようとしたんですから。そういうことなんです。なのに奴らは何故か自分が返り討ちに遭わず、安全圏から相手に針を刺すことができると思い込んでいるんです。思い上がりも甚だしいですよまったく。けれど思い出してください、本来生物というのはそういうもののはずです。自分に害を為そうとする者のことを全力で排除しますし、全力で排除しなければならないんです。でなければ自らの生存を脅かされ続けるわけですからね。それがどうですか!奴らはただ針を刺すだけに飽き足らず、血を抜くんですよ!血を!!抜くだって!!!ハア!!!??
血を採るんだから当たり前だろって言ったそこのお前!!お前の腕に蚊が止まって血を吸ってる時どうするんだ。言ってみろよ。なあ!知ってんだぞ!叩き潰すよなあ蚊を!?時々マンガとかでキャラクターが潰されるっていう惨殺描写があるけど、叩き潰すって要はアレだぞ。血を抜くという行為はつまりそういうことなんだよ。叩き潰されても良いという覚悟を持っていなければ他人の血を抜くことなんてできやしないんだ。ちょっとした青年誌でも規制掛かるレベルだぞ。グランドセフトオートでもそこまでやんねえよ。グラセフやったことねえけど。少なくとも俺にそんな覚悟は当然無いから他人の血を抜こうだなんて微塵も思わないね。しかしそれを奴らは平然とやってのけるんだ。だが断言するぞ、奴らの中に採血中殴られても良い、叩き潰されても良いなんて思ってる奴は一人もいないぞ。良いのかそれで!!それで良いのか!!!!
腹立って調べてたらWikipediaですげえ記述を見つけたぞ。看護師による注射は長年違法だったのに誰も守ってなかっただ?禁止解かれたのだって2002年ってついこないだじゃねえか!本当だったらマジでろくでもねえなちくしょうが!
…というようなことから、私はこの年に一度実施される健康診断の時ほど憂鬱である事はない。もちろん私は理性的な人間ですから、針を刺されたとしても看護師をブチ殴りもしなければ叩き潰すこともしません。
が、そもそも注射の有無を抜きにしても、年々増える体重について小言を言われ、それ以外はさして不健康でもないため体重の数字が基準値オーバーを示す赤色で表示される以外には面白味のない診断結果を送り返されるのが恒例であり、なんなら針刺され損&小言言われ損みたいなとこもある。特に今年の実施に際しては、私の休日と健康診断実施日が重なってしまったため、わざわざ休日を返上して健康診断に臨む(針を打たれる)羽目となってしまったのだ。嫌でない筈がない。
大体、事前に問診票を書かされるのだが、自覚症状という欄に書くことなど一つも無いのだ。心身の不調というところで何らかの変調があれば、自覚していることがあればもちろん書こう。しかしそれが無い。…まあ強いて言うなら、最近は酒を飲んだ後気分が落ち込んでしまうことが多いから積極的に酒を飲まなくなったということくらいか。人と飲むには良いが一人で飲むとどうにもツラい。酒飲むと2時間くらいで目が覚めて眠れないことが多くなったし。あとはまあ、体重の増加ね。これはもう年々言われてることですからもちろん自覚している部分なわけです。だからこそあえて書くということができない。だって本当に飯が美味いんだもの。何食っても美味いって思うから最近はまた特に食が太い。健康診断の前夜にもすき家でWにんにく牛丼メガ盛食べてるし。家帰ってアイスも食ったし。そんなささやかな楽しみを奪われてはならないから。誰にも俺の楽しみを奪うことなどできないから。むしろ日常的な飲酒を控えてるってことで褒めてもらいたいところです。
それがいざ幕を開けた今回の健康診断はなんだ。まず俺に注射を打ったあの看護婦。注射に怯え力一杯に拳を握り締め汗をかく俺とのやり取りで「お名前は?」「向井 剛(本名)です」「あらあら、名前は強そうなのに」などとのたまいやがったんだぞ!んなこと言われなくてもわかってんだよ!!
その後の医者による診察はさらに酷かった。特に診察らしい話をしていない。いつにも増して小言ばかりだった。俺の増えた体重を見て、明らかに使い古され同じ内容を書き込まれ続けたクシャクシャの紙を眺めながら「とんでもない肥満だ!」「まだ血圧に表れていないから良いけど」「1日4Lの水を飲みなさい」「肉食文化が入って来て以来、日本人の病気は増えた」「今こそ草食動物に戻りなさい(?)」「油っこい食事をやめて野菜の煮物を食べなさい」という話が5回ループした。来年には死んでそうなツラしたジジイの医者の話がまあ長えし同じ話をしすぎだ。あと4Lの水は飲みすぎだろ。
良いんだよ。どうせ大きな問題なんて無くて健康なんだからよ。俺の食生活は最近ちょっと酷いかもしれないが酒は控えている。酒さえ控えていれば悪いところなど特に無いはずなのだ。実際、普段通りの生活をしている分には体調を崩すこともほとんど無い。どうせいつものように面白味のない診断結果を送り返され、またいつもの日常を過ごすことになるんだ。
ところがこれは一体なんだ!
俺の目がおかしくなったんでなければ、ついに世界がおかしくなったのだ。飲酒を控えているこの俺様の肝機能が要精密検査だと!?ふん、ヤブ医者め。本当に精密検査がいるのかどうか、もっと詳しく肝機能の数値を見てやろうじゃあねえか。
LDLコレステロールの数値なんて少々自覚はあるから気にする必要は無え。問題は肝臓の数値…なんだこれ!全滅してんじゃねえか!
こういう数値はいまいちどういう役割なのかよくわかんねえから適当に放ってたけど、これは一度調べてみるしかねえか。
AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP | 肝臓に関する検査の一覧 | 肝炎.net
ということで調べた。
まあ要約するとアレだな。俺の肝機能に障害が起こって肝細胞とやらが破壊されちまっており、それによってASTやALTといった数値が上がってしまったようだ。ほう。特にASTとALTの数値は健康な人であればASTの方が高くなるところ、肝機能に障害がある場合はALTの方が高くなるらしい。
ドンピシャじゃねえか!!
え?こいつら俺に針をぶっ刺して苦痛を与えただけじゃ満足せず、こんな脅しまでしてくんの?鬼畜か?
…いや、わかっているんです。大人げないなって。彼らも仕事を果たしただけですから。診断結果を操作したわけでもないし、この結果はほんともうシンプルに私の不摂生が招いたわけです。そこに対してどれだけ文句を言おうと、駄々をこねようと、結果が覆るわけでもありません。不摂生が虚しく残るだけ。それに、やはり自身の健康状態を管理するのも、大人としては当然の責任義務なのだと思うのです。そのために更なる検査が必要とされるのならばもちろん検査をしなければなりませんし、その折には注射による採血を…注射、を……
い、嫌じゃあ〜〜〜!!!!!
絶対に注射なんかせんぞ!!
この俺様に針を刺すなどと、二度と口にできなくしてくれるわ!!!!
消え去れーーーい!!!!!
ということなので、来年の健康診断まで1年間、なるべく健康な生活を心がけてみたいと思います。なるべくというのも、食生活に関しては大きく改善するつもりが無いからです。酒をなるべく控え、暴飲暴食をできるだけ控える、程度のことですかね。その代わり、適度な運動を心掛けようかと思います。一般的な肝機能障害の改善にも適度な運動は効果的だという調べはつきましたからね。
ちなみに適度な運動、というのは
フィットボクシングをするということです。思えば、フィットボクシングを購入したのはこんな時のためだったような気がしてなりません。これも天命による定めか。
これで来年の健康診断にて、再び肝機能の数値に異常があるならば、その時こそは観念しよう。けれど最後まで私は抗ってみせましょう。そう、全ては注射から逃れるため。覚悟しとけよ。絶対にぶち殺してやるからな。
次回「ピンチ! 飽き性の魔の手」ぜってえ見てくれよな!
りきすい
・アニメオタク ・肥満気味
・メンヘラ ・近視、乱視、飛蚊症
・肝機能障害(?) ←NEW!!